2011-06-30

6月29日未明

午前四時、目が覚めてしばらくして食事を買いに出た。空が薄明かるく、28夜の細い月が建物の隙間に浮かんでいた。

そしてコンビニの帰り、自分の胸に、この一年あまりわかだまっていた、隠すことを強いられ、ぐつぐつしていたものが解放され、空に向けて飛んでいった気がした。

三時間ほど仮眠を取り、昼に目覚めた。
胸の体感は開いたまま、風がすうすうと通り抜けていく気がした。
胸が空っぽで風が吹き抜けるというとふつうは悲しい、空虚な印象だが。それは心地よかった。

判断は間違うことがある。だが決断に間違いはない。善悪を越えて総ての責任を引き受け、道を選ぶのが決断だから。誰がどう批難しようが、「それしか選べない」と想い定めて決めるのだから。
そう思ったのが風の通るきっかけ、総てをふっきったきっかけ。

何度、吹っ切ったと思ってもあとでまた、次の波が押し寄せていたのに。
今では何も怖くない。

三週間前に想い定めた「いつか、皆で笑い合える日がくる」その時に向かった道を歩けている、そんな気持ち。

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