どの小説か忘れたが、風呂で発見された死体は、沸騰する湯のなかですっかり茹だり、肉が骨から剥がれていた。
というシーンを読んだことがある。
昨日、久々に買い物をして鍋にした。
小型の寸胴鍋のほとんどを炒めた野菜がしめ、あとは高野豆腐としいたけ、少量の米が浸かっている。
今朝温め直して、この電磁調理器には 保温
という火加減があるのを思い出す。沸騰させないように、調理器自体が見張ってくれる機能。実験室で卵を孵す器具のようなもの、黴を培養させるにも最適な温度だから、食事にはよいがつけっぱなしでは加熱の意味がないな、と思った。
電磁調理器が保温のまま私が死んだら、黴を培養しながら、ゆっくりと湯は蒸発していくのだろう。発見されるタイミングによっては、水のない緑の内容物が鍋に発見される。そんなことを思った。
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