たしか、高校二年生だったと思う。友人に誘われ、参加した合唱コンクールで憶えた 愛の日に
という詩のことを、今でも思い出す。
動画でご紹介したかったが、メドレーの三曲目に入っている程度だ。
高校生のときは、恋をしたいと思って、自分を焦らせちゃいけないよ
とほぼ文意のとおりに解釈していた。
自分の娘がローティーンになり、もし早婚だったら自分の子供であってもおかしくない年頃の人々と付き合うようになって、冒頭を歌おうとして別の解釈をしてしまう。
自分が一番大事にしたい人の心を、情熱で無理やりにかきたて、求めたら。
その人が本当に自分のことを愛してくれているのか、あとで迷っちゃうから、やむにやまれないときだけにしておきな。
とね。ひねくれた中年です。
花が自然に開くように
小鳥が春を知るように
愛もいつの日にか自然に訪れる
ことさらかきたてなくても
ことさら求めなくてもまだ霧におおわれている
乙女の日のむこうに
かくれている愛やがてめぐり会う人の涼しい目が
遠く霧のむこうから
あなたを見つめているあなたの髪
あなたのほお
あなたのやわらかな耳たぼ夜がすぎ 朝が訪れ またむかえる夜と朝の
時の流れに運ばれて
ひそやかに近づいてくる
愛の花の開く日遠くから近づく涼しい目を あなたは待たなければいけない
あなたの美しさが それに応えて
磨かれ かがやいてゆかなければいけない
図書館から借りた高田敏子全詩集
から、全文引いてしまいました。スミマセン。
初出はあなたに
(1974) だそうです。
連の区切りを、自分が出会った合唱曲 に合わせて、底本より増やすという改竄が加わっています。