前日に食べたラーメンとの対比で、旨い盛り蕎麦が喰いたいという気があったのは、単に生理的な事情だろう。
数人で新宿南口前に話をしていた。
ある女性には、このあと本屋に行かないかと声をかけた。
べつの女性には、またべつの誘いをした。
だが集団の端にいた若い女の子から逆に『藪蕎麦に行きませんか』と誘われ、とても嬉しくなってそのまま二人で集団を離れた。
しっかりと背中の腰に近い部分を保持され、声をかけたひとびとに断りなく離れるのは悪いがと後ろめたさを感じているときに目が醒めた。
背中は、寝るときに新書を下敷きにしていた感覚に、夢でつじつまあわせをしたらしい。
起きて、顔は(迷惑を掛けないようにという理由で無理に)忘れた彼女だったのだろうと思った。歳が似てる。
場所はオフ会のあとで解散後に残っていっしょに買い物に行った場所だし。なにより、誘われたからとほかの知人をないがしろにした気持ちを思い出させられたのだから。
うしろめたくならないように、朴念仁に生きろという夢かね、わからん。
わからんから考えろってのが『重い夢』であり、お告げな結論などあるわけがないというのが私自身の感覚である以上、わたしはわからん夢しかみないよね、当たり前。